自動思考に気づくには?(出来事と感情の間を想像する)

自動思考に気づくには?出来事と感情の間を想像する

こんにちは。聞き手の新田しんじです。

これまで3回に渡って書いてきた「自動思考」。今回はその「自動思考」に気づくにあたって、具体的なことを書いてみたいと思います。

 

自動思考は、自分の身に起こった「出来事」と、「感情」の間に生じる思考、

それは、その人ならではの、「物の見方」につながります。

前回は、いきなり自動思考を捉えよう、とするのではなく、

まずは、より捉えられやすい「感情」に目を向けて

可能な限り自分自身でしっくりくる表現を使って、書いてみることをお伝えしました。

では、その間に生じている(と想定する)自動思考は、どのように捉えればよいでしょうか?

 

想像してみよう

「具体的な出来事」と「感情」が出来上がったら、

「自動思考」を捉えるには、まず「出来事」と「感情」との橋渡しをしているセリフを想像してみます。

正しさにあまり囚われずに「この感情、、、だとしたら、、こんなセリフかな」というもので大丈夫。

 

例えば、

「久しく会っていない友人へ連絡をとったら、エラーメッセージが戻ってきた」

という出来事があった場合…

「驚き」という感情との間には、

「えっ、まじで?」「なんで?」というセリフかな。

「寂しい」という感情との間には、

「もう連絡とれないってことか」「連絡とれると思っていたのになあ」というセリフっぽいなぁ。

「不安」という感情との間には、

「嫌われてしまったんだろうか」「もう自分とは会いたくないと思われたんだろうか」というセリフかな、、、

という感じで、想像しながら、「ありそうなセリフ」を考えてみましょう。

また出来事によっては、感情とセットに自動思考(セリフ)がつぶやいていることもあるでしょう。

そうしたときはそのセリフを思い出しながら書くといいですね。

 

外在化して客観的に観察を

自動思考は、無意識的に頭の中に生じてくる思考なので、

書いていくうちにだんだんとその出来事を思い出しながら、感情にのめり込むように、どんどんとセリフが出てくるかもしれません。

そうして、ますます気持ちが落ち込んでしまったりするのであれば、

ぜひ「外在化」をしてみてください。

「外在化」とは、「自分ごと」から離れて、第三者の視点として観察すること。

「そんなこと行っても仕方ないだろ」「なに弱気になってんだ」といったジャッジ(価値判断)をすることなく、

またさらに自動思考のセリフから、よりネガティブな傾向に陥るようなこともなく、

出来事→自動思考→感情 という流れを、客観的に観察する態度を手助けしてくれるでしょう。

(主語を「私」や「僕」から「氏名」に変えるものよいでしょう)

 

例文:

新田しんじは、久しく会っていない友人へ連絡をとったら、エラーメッセージが戻ってきたことを経験した

「えっ、まじで!?」驚き・「会えないのか」寂しい・「嫌われてしまったんだろうか」不安

 

感情にインパクトや大小があれば、

「えっ、まじで!?」驚き(50%)・「会えないのか」寂しい(30%)・「嫌われてしまったんだろうか」不安(70%)

といったように、数値化して書くことも客観的に把握することに役立ちますね。

 

こうして出来事の記録をつけていくと、次に、似たような出来事があったときに記録を思い返して

自分のパターンに気づいていくきっかけになるでしょう。

 

また、こうした自動思考を掴む力を養うには「瞑想」をおすすめします。

瞑想を日頃の習慣にすることによって、自分の身に何が起こっているのか、という気づきの力を養うことができます。

井原さんが書かれたこちらの記事も、ぜひお読みください。

瞑想の習慣が気付く力を高める。

こんにちは。聞き手の井原です。 今日は、「瞑想の習慣が気付く力を高める」という話をします。 あなたは、瞑想をしたことがありますか? 私は、時々行う程度でしたが、最…

 

こうして自分の「出来事→自動思考→感情」という流れをいくつか掴むようになってきたら、

次におすすめしたいのが、「認知の歪み」という思考の分類を知ることです。

次回は、この「認知の歪み」をテーマとして書きたいと思います。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

執筆者:新田しんじ

MFCA 認定プロフェッショナルコーチ
心の器づくりサポーター/IT系企業プロジェクトマネージャー/スケッチダイバー

自己肯定感が低くて、自分が何をやっても意味がないと思ってしまったり、自分の居場所がなくても開き直ろうとしたり、怖くなったり、情けなく感じたり、世界をバカバカしいと吐き捨てたりを繰り返していた経験を持つ。
二の足を踏んで前に進めない方へ、第一歩を踏み出すための土台として、自分の存在を温かく受け止めることができるような、心の土台づくりをサポートしたいと思い、いろんな活動をしています。