自動思考に気づくには?(感情を記録する)
こんにちは。聞き手の新田しんじです。
これまで2回に渡って「自動思考」をテーマに書いてきました。
今回は、この「自動思考に気づくには?」をテーマに書いてみたいと思います。
「自動思考」とは、無意識的のうちに自分の頭の中でつぶやいている思考(言葉)のこと。
ですがこのように、いつのまにかつぶやいている思考は、なかなか気づきにくいものですよね。
そもそも「意識しないまま自分につぶやいている」から、
それに気づくことって、とてもハードルが高いことです。
ではどうすればいいのでしょう?
手がかりになるのは、「感情」です。
自動思考はひとまず置いておき、湧いてきたその時の「感情」を記録するのです。
まず、なにが起こったのか、その「出来事」を書き、
そこで感じた「感情」を記録します。
出来事は簡潔に具体的であること、いい悪いを横に置いておくこと(価値判断を入れない)
を心がけるといいでしょう。
次に、その出来事で、どのような感情を感じたのか、を思い出して書いていきます。
感情は、しっくりくるな、と感じる言葉や、
その時の感覚に近しい言葉を選ぶといいでしょう。
あまり誇張された感情ではなく、
あくまでも自分が感じたであろう、感情の大きさやニュアンスに合った言葉がおすすめです。
例えば、
「久しく会っていない友人へ連絡をとったら、エラーになってメッセージが戻ってきた(驚き、寂しい、恐れ)」とか
「仕事場の同僚が、自分が苦手なお客への対応を楽しそうに対応していた(イラつき、悔しさ、敗北感)」とか
「お隣の方から、静かにしてほしい、と言われた(恐れ、不安、恐縮)」とか
「パートナーに転職を相談しようとしたが、話を切り出せられなかった(不安、恐れ、寂しさ)」とか
「友人に飲みに行こうと誘ったら、会うことを断られた(怒り、悔しさ、諦め)」とか。
「でも、感情の言葉、なかなかぴったりな言葉が出てこないなぁ、、、」
と思われた方はいるでしょうか?
実は僕も「感情を書く」といっても、なかなか感情表現のボキャブラリーが少なくてうまく書けない、、
ということがよくあります。
そこで、感情をわかりやすく整理した参考情報を、こちらに掲載します。
ひと言で感情と言っても、とっても多くの種類、表現がありますよね。
まずはいろんな感情の言葉を知るところから始めてみてもよいかもしれません。
プルチックの感情の環
こちらはアメリカの心理学者ロバート・プルチック氏が1980年に提唱した「感情の環」の図になります。
人間の感情を8つの基本感情をベースに分類しています。
(下図で言えば中心から二つ目の円環にあたる部分。「喜び・信頼・恐れ・驚き・悲しみ・嫌悪・怒り・期待」)
ただしこのモデルは、英語で分類されたモデルを日本語訳にされているため、
すこし違和感を感じられる方がいるかもしれません。
ですがまず、大まかにでも感情表現を知る手がかりにはなるでしょう。
このプルチックの環は、さらにそれぞれの要素が混ざり合うことで生じる「混合感情」など、
さらに派生される多くの感情が説明されています。
(参考サイト:プルチックの感情の輪とは?わかりやすく解説!)
感情類語辞典 (株式会社 フィルムアート社)
こちらは書籍「感情類語辞典」のご紹介です。
この本では、それぞれの感情の意味だけでなく、
小説などで登場する人物の感情描写の資料となるような、「外的なシグナル」や「内的な反応」「精神的な反応」など
感情を多角的に捉えている、面白い本です。
ここでは目次だけ引用します。
それでも、感情の豊かさを理解することに役立つことでしょう。
愛情/圧倒/あやふや/安堵/怒り/苛立ち/陰気/うぬぼれ/驚き/衝撃/怯え/懐古/葛藤/悲しみ/感謝/気がかり/危惧/疑心暗鬼/期待/希望/疑念/きまり悪さ/驚嘆/恐怖/拒絶/疑惑/緊張/苦痛/屈辱/屈服/苦悩/軽蔑/激怒/決意/懸念/嫌悪/後悔/好奇心/幸福/興奮/高揚感/孤独/混乱/罪悪感/自信/自信喪失/自責/自尊心/嫉妬/失望/自暴自棄/心配/崇拝/絶望/羨望/短気/同情/動揺/憎しみ/熱望/敗北/恥/反感/不安/不信/不本意/不満/平穏/防衛/満足/無関心/愉快/用心/欲望/立腹/冷笑
<感情類語辞典>目次より 株式会社 フィルムアート社
http://filmart.co.jp/books/playbook_tech/emotion-thesaurus/
連想類語辞典
こちらは大変便利な無料のWebツールです。
思いつく言葉が見当たらなくても、それに近しい、または類する言葉をたくさん出してくれるとても便利なツールです。
例えば、なにか腹のたった出来事を書いたけれど、その時に思い浮かぶ言葉があまりなくて、
「ムカつく」
だけだったとしても、この連想類語辞典で引くと、
反感・穏やかでない・悩まされる・歯止め・素直にうなずけない・面白くない気持ち・・・
と、まだまだたくさんの言葉が出てきます。
登録などは必要がなく、誰でも自由に使えますので、ぜひ使ってみてください。
以上のように、感情を記録していくにあたって、
まずは言葉自分が感じた感情に近しい言葉を、見つけられましたでしょうか?
さて、ここまでで
「出来事」と「感情」を書くことができました。
もしうまく書けないと思っても、焦らなくても大丈夫です。
短い言葉でもよいので、ちょっとしたことから記録してみてくださいね。
これだけでも、自分を知ることにはとても役立つと思いますが、
自動思考は、この「出来事」と「感情」の間に生じる思考と言えます。
自動思考=無意識的のうちに自分の頭の中でつぶやいている思考(言葉)は、
ここから、どのように書いていけばいいのでしょう?
次回はこちらをテーマに書いていきたいと思います。